国産車アルバム(Lサイズのミニバン)

2017年度に新たにデビューする車、フルモデルチェンジ、マイナーチェンジを実施する国産車のうちLサイズのミニバン車を中心に紹介します。

  • 日産・セレナ
  • ホンダオデッセイハイブリッド
  • スズキ ソリオ

日産 セレナ

穏やかな走行特性がプロパイロットに最適

Lサイズミニバン

一時はブームといわれたミニバンも、今では普及し始めてから約20年を 経て売れ行きが落ち着いた。堅調に売れるのは、全高が1700mmを上回り、 標準ボディが5ナンバーサイズに収まるスライドドアを装着した車種だ。 このタイプの代表とされるセレナが2016年8月に一新され、日産としては 異例に長い、2年半ぶりに国内市場へ投入される新型車となった。

ライバル車のヴォクシー&ノアは現行型でプラットフォームを刷新して、 床の高さをステップワゴンと同等に低く抑えたが、セレナは先代型と共通だ。 そのためにヴォクシーやステップワゴンに比べて床が70mm高く、 サイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りする。重心も先代型と同様に高い。

したがって操舵感は安定性を確保するために鈍めの設定だ。峠道では旋回軌跡を 拡大させやすく、エンジンは2・0Lなのに車両重量が1600kgを大幅に上 まわるから動力性能も大人しい。  それでも開発者は「ミニバンだから低床設計にして重心を抑えなくても、お客様 から不満は聞かれない」と言う。

走行安全性については、顧客の要望にかかわらず 低床化して向上させる余地があるが、運転感覚は鈍めでも不満はないのだろう。 セレナの大人しい運転支援技術のプロパイロットとも相性が良い。

プロパイロットの作動は、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールと、路面の白線を 検知して行われるステアリングの操舵支援だ。車間距離の制御は、先行車との 間隔が開いても即座に加速しないなど鈍さを伴うが、セレナの走りであれば 違和感はあまりしょうじない。

ステアリングの操舵支援は、白線を検知するために、作動中は常にハンドルが 細かく左右に動いている。操舵に対する反応が機敏な車種では、この動きが車両の 挙動に反映されて進路が小刻みに乱さるだろうが、セレナは操舵の反応が鈍いから、 車両がほとんど反応しない。進化の過程にあるプロパイロットを初装着するには、 最高なクルマだとおもう。

ミニバンの機能で最も注目されるのは居住性の向上だ。1/2列目は先代型も 快適だったが、3列目は床と座面の間隔が不足して腰が落ち込み、足元空間も狭め で窮屈感が伴った。新型はそこを改善している。

3列目のスライド機能をオプション装着すると、後端まで寄せた時には3列目の膝先空間が先代型50mm 拡大し、床と座面の間隔も30mm広がる。さらに3列目の座面の奥行きも 30mm増えるため、着座姿勢が最適化されて座り心地も向上し、膝先の余裕 も増した。その結果、セレナの居住性は、5ナンバーサイズを基本としたミニバン では最も快適だ。

ホンダ オデッセイハイブリッド

2モーターハイブリッドがもたらす極上の走り

高級サルーンを思わせる乗り心地も大きな魅力

ミニバンの皮を被ったスポーティカー・・・そんな表現ができる5代目 オデッセイ。待望のHVモデルはそのスポーティ性能に燃費性能を加え、走りと 経済性を兼ね備えた。走りの良さを譲れないファミリーユーザーにとって理想のミニバンだ。

HVシステムはアコード用の2モーターSPORT HYBRIDi-MMDを小型化・高出力化し コストダウンを図ったもの。2・0Lエンジンは145ps、17・8kgm。 モーターは184ps、32・1kgmと、重量増に対したアコードを凌ぐエンジン &モーターパワーの持ち主。しかも燃費はエスティマHV18・0km/Lを大きく 凌ぐ24・4〜26・0km/Lなのだから鬼に金棒だ。

ガソリンエンジン車の「アブソルート」はスポーティ性能重視で硬めの乗り心地 だが、HVはガソリン同仕様比約80kgの車重増に加え、1列目席下に配置する リチウムイオンバッテリーを含むIPUにより低重心化を実現。そのおかげで、 ガソリンエンジン車の「アブソルート」に見られるゴツゴツ感はほぼなく、 ストローク感あるしなやかで上質な高級サルーン的な乗り心地となっている。

発進はEV走行。そこからはモータートルクによる滑らかで力強い加速力を発揮。 エンジンを回す場面でも車内に侵入するノイズは微小だ。高速走行ではステアリング の引き締まり感、直進性、フラット感が際立つ安心感の高い乗り味を披露する。

HVのお薦めは「アブソルート」。「アブソルート」以外は乗り心地抜群だが、内装のシート&ファブリックがホコリの付きやすい素材だからだ。

スズキ ソリオハイブリッド

2ペダルRMTの短所をモーター制御でカバー

ソリオは空間効率の優れたコンパクトカーで、2015年8月の発売時点から マイルドハイブリッドを搭載していた。モーター機能付き発電機のISGが減速時を 中心とした発電、アイドリングストップ後の再始動、モーターによる駆動アシスト (連動作動時間は最長30秒)を行なう。

このシステムを発展させたのが16年11月追加のフルハイブリッドで、 駆動用のモーターのMGUと駆動用リチュウムイオン電池を加えた。 ISGも搭載するが、駆動と減速時の回生発電はMGUが行うから、ISGは アイドリングストップ後の再起動とエンジンの力での発電を受け持つ。

トランスミッションは、マイルドハイブリッドは無段変速ATのCVTだが、フルハイブリッドは5速AGS(5速オートギヤシフト)と呼ばれる1組の クラッチを使った有段ATを備える。フルハイブリッドではCVTの設置スペースを 確保できないが、5速AGSなら収まり、巡行時にはクラッチで駆動系を直結できるから実質燃費も向上する。

CYTはジヤトコ製だが、5速AGSはスズキの内製のためコストも抑えやすい。  その反面、5速AGSは加速の途中で変速が行われると速度上昇が途切れやすい。 変速の度に乗員の体が前後に揺すられてしまう。

そこで変速タイミングを見計らってモーターの駆動力を高め、加速が滑らかに 続くようにした。変速時の半クラッチ制御も巧みだ。この効果は絶大で、 1組のクラッチを使うRMTとしては、おそらく世界で最も滑らかだろう。

ソリオハイブリッドの走りも上質に感じられる。

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